2026/1/18
離乳食離乳食の基礎

山田佳奈子管理栄養士
保育園にて約8年管理栄養士・栄養士として献立作成や給食づくり、栄養相談に携わる。 とくに食育活動に力を入れ、「食を楽しく学ぶ」「食に興味をもつ子を育てる」をテーマに0歳から5歳の年齢に合わせた指導を実施。現在は執筆活動をメインに食と健康に関する情報を発信している。

離乳食は、母乳やミルクから幼児食へ移行するための大切な食事です。赤ちゃんは離乳食を通して味覚を育み、噛む力を身につけていきます。
ママ·パパのなかには「離乳食はいつ頃から始めればいいの?」と、初めての育児に不安な気持ちを抱えている方もいるかもしれません。お子さまのペースに合わせて楽しく安心して進められるよう、一緒に離乳食の準備を始めましょう。
今回は、離乳食の進め方について、適切なタイミングや段階別の特徴などを紹介します。離乳食準備や事故防止のポイントを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

離乳食は、5~6か月頃から始めるとよいとされています。5~6か月頃のお子さまは、徐々に首がすわり始め、寝返りができるようになったり、5秒以上座れるようになったりします(※1)。
また、食べものを目で追って興味を示す動作も見られるのも特徴です。5か月頃にママやパパの食事を見て、よだれが出たり口を動かしたりなど「食べものへの興味」を示し始めたら、離乳食を開始しましょう。
ただし、上記の時期はあくまでも目安です。お子さまの体調や発達などを加味しながら、無理せず進めてくださいね。

離乳食をスタートする前に、以下の道具を準備しましょう。
| 主な食具·道具 | |
|---|---|
| 食べるとき | 赤ちゃん用スプーン、お皿、イス、エプロン(スタイ)、手拭きタオル など |
| 作るとき | ブレンダー、こし器、すり鉢、鍋、製氷皿 など |
赤ちゃん用スプーンは、柄が長く、先が平らで窪みの薄いスプーンを選びましょう。
食べものや唾液が口まわりに長時間付着していると、かぶれることがあります。こまめにタオルで優しく拭きとりましょう。
茹でた野菜は大量のゆで汁のなかですりつぶすのではなく、野菜をすりつぶしてから少量のゆで汁を加えると、食材の固さを調整しやすくなります。
また、離乳食は多めに作って製氷皿に入れて分け、ストックを保存しておくと、忙しい日でも時短で準備できます。ただし、長期間の保存は鮮度が落ちるため、1週間を目安に早めに使い切りましょう(※2)。

離乳食は、主に初期·中期·後期·完了期の4段階に分けられます。ここでは、それぞれの時期の特徴について紹介します(※1)。
| 初期 (ゴックン期) | 中期 (モグモグ期) | 後期 (カミカミ期) | 完了期 (パクパク期) | |
|---|---|---|---|---|
| 年齢 | 5~6か月頃 | 7~8か月頃 | 9~11か月頃 | 1歳~1歳半頃 |
| 離乳食の回数 | 1日1回 | 1日2回 | 1日3回 | 1日3回 |
| 食材の状態 | なめらかにすりつぶした状態 | 舌でつぶせる固さ | 歯茎でつぶせる固さ | 歯茎で噛める固さ |
5~6か月頃の離乳食は 1日1回とし、1さじの量を無理のない範囲でゆっくりと進めましょう。
離乳食の初期である5~6か月頃は、離乳食を飲み込む練習の時期です。口から入った食べものを、舌を上手に使って後ろに流す嚥下訓練をします。
10倍がゆのほかに、かぼちゃやさつまいも、にんじんなど甘みのある食材から始めるとよいでしょう。たんぱく源は消化のよい豆腐や白身魚などから始めるのがおすすめです。
なお、この時期は食事から栄養を摂るというよりも、食べものの味を知り、舌ざわりに慣れるのが目的です。そのため、母乳やミルクは、赤ちゃんが欲しがるだけ与えてかまいません。
離乳食中期は、7~8か月頃の年齢が該当します。生活のなかに食事の時間を作っていく時期であるため、離乳食は1日2回のペースで進めましょう。
中期は、食べものを飲み込む練習の初期から、舌で食べものをつぶす練習に移ります。鶏ひき肉や鮭などのたんぱく質は、片栗粉でとろみを付けてあげると食べやすくなります。
ミルクは初期と同じく、赤ちゃんが欲しがる量を与えましょう。
9~11か月頃になると、歯や歯茎を使って、食べものをつぶす練習をする離乳食後期が始まります。
後期は、離乳食の回数が1日3回となるため、ミルクよりも食事から栄養を摂れるようになります。お子さまの食欲に合わせて、離乳食の量を増やしていきましょう。
食材の甘さや旨みをベースにしながら、ほんの少しの醤油や砂糖などを加えてみるのもよいです。
加えて、後期はお芋のおやきやミニパンケーキなどで「手づかみ食べ」を経験させてあげるのがおすすめです。
食べものを直接触ることで、固い·柔らかいなどの感覚を実感でき、赤ちゃんの発育に大切な食事への興味·関心を高められます。赤ちゃんが落ち着いているときや、ママ·パパの気持ちに余裕があるときに、ぜひ取り組んでみてください。
1歳から1歳半になると、形のある食べものを噛みつぶせるようになります。この時期の離乳食を完了期と呼びます。
完了期では1日3回の食事に加えて、1日1~2回の補食を取り入れます。油を使ったメニューも楽しめる時期ですが、味付けは幼児や大人よりもうす味を心掛けましょう。
後期に比べて食べられるものや1回の食事量が増えるため、母乳やミルクを飲まなくなる子もみられます。
ただし、母乳やミルクの状況は、赤ちゃんによってさまざまです。無理やりやめさせるのではなく、少しずつ量を減らしていきましょう。

離乳食を始める前に、食事での事故を防ぐための大切なポイントを押さえておきましょう。ここでは、とくに気をつけたいポイントを3つ紹介します。
からだによいとされているハチミツは、1歳未満のお子さまに与えてはいけません(※3)。
ハチミツに含まれるボツリヌス菌は、大人の腸内ではうまく処理することができます。しかし、子どもの腸内環境は大人に比べて未熟なため、1歳未満の子どもがハチミツを食べると、乳児ボツリヌス症を発症するおそれがあります。
インターネットやSNS上の離乳食レシピを参考にする際は、ハチミツが使われていないかをしっかりと確認しましょう。
食物アレルギーは、少量でも、湿疹や呼吸困難といった重い症状をきたす場合があるため、注意が必要です。初めての食材は1さじから始め、体調に変化がないかを慎重に観察しましょう。
また、アレルギー症状が出た際にいつでも駆け込めるよう、かかりつけ医の休診日や救急対応可能な近隣の病院を事前に確認しておくのも大切です。病院がお休みの日は、万が一に備えて、初めての食材へのチャレンジは控えましょう。
食事中は、数分でも赤ちゃんから目を離さないよう注意してください。
離乳食が進むにつれて、コロコロ状のものや手づかみできる大きさのものが増えていきます。とくに、固さのあるりんごや水分を含むと粘着性が高まるパンなどは、赤ちゃんの喉に詰まって窒息を引き起こす可能性があります(※4)。
適切な大きさや柔らかさにしてから与えるのはもちろん、万が一に備えて近くで赤ちゃんを見守るのも大切な対策です。離乳食を与えている時間は、なるべく赤ちゃんのそばから離れないようにしましょう。
初めての離乳食は、試行錯誤の連続です。
赤ちゃんによって個性がバラバラなことと同じく、離乳食の進み具合もそれぞれ異なります。また、同じ食材でも、日によって食べたがらないときもあるため、赤ちゃんのペースで進めてあげてくださいね。
離乳食のレシピに悩んだら、「こどもレシピ」を参考にしてください。
管理栄養士監修の安心レシピも多数揃えているため、ぜひご活用ください!
1:厚生労働省 授乳·離乳の支援ガイド
https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf
2:一般社団法人 母子栄養協会 離乳食の冷凍保存(フリージング)のコツ
https://boshieiyou.org/tips_for_freezing_babyfood/?srsltid=AfmBOor5LWRKfhN2fydYBrBNVox2CPTME0a2NQMmGRQux0ljKrLE7TWl
3:厚生労働省:ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161461.html
4:公益社団法人 日本小児科学会 ~食品による窒息 子どもを守るためにできること〜
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=123