食育の基礎知識

2025.04.10

【栄養バランスの基本】成長を支える食事プランニング

乳幼児期は心身の発達が著しく、栄養バランスの取れた食事が特に重要です。この時期に必要な栄養素と、それらを効率よく摂るための実践的なアプローチを解説します。

乳幼児期に特に重要な栄養素

  1. たんぱく質
    • 筋肉や臓器、免疫系の発達に不可欠
    • 摂取源:肉、魚、卵、豆腐、乳製品など
    • 1〜2歳の目安:1日15〜20g(卵1個と豆腐1/4丁程度)
  2. カルシウム
    • 骨や歯の形成に必須
    • 摂取源:乳製品、小魚、緑黄色野菜、豆腐など
    • 1〜2歳の目安:1日400〜600mg(牛乳200mlと小魚少量程度)
  3. 鉄分
    • 脳の発達や貧血予防に重要
    • 摂取源:赤身肉、レバー、ほうれん草、小松菜、納豆など
    • 1〜2歳の目安:1日4〜5mg(ほうれん草1/2束と肉20g程度)
  4. ビタミンA
    • 皮膚や粘膜の健康維持、視力発達に関与
    • 摂取源:にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、レバーなど
  5. ビタミンD
    • カルシウムの吸収を助け、骨の形成に寄与
    • 摂取源:日光浴、魚介類、きのこ類など
  6. 食物繊維
    • 腸内環境の健全化と便通改善
    • 摂取源:野菜、果物、豆類、海藻など

「食の虹」で栄養バランスを整える

多様な色の食品を取り入れることで、自然と栄養バランスが良くなります:

  • :トマト、りんご、いちご(リコピン、アントシアニンなど)
  • オレンジ・黄:にんじん、かぼちゃ、みかん(βカロテン、ビタミンCなど)
  • :ほうれん草、ブロッコリー、小松菜(葉酸、鉄分、食物繊維など)
  • :たまねぎ、大根、豆腐(アリシン、イソフラボンなど)
  • 紫・黒:なす、ブルーベリー、黒豆(アントシアニン、ポリフェノールなど)

年齢別の食事量の目安

  1. 1歳〜1歳半
    • 主食:軟飯80〜100g(お茶碗1/3〜1/2)
    • 副菜(野菜):30〜40g(小鉢1皿程度)
    • 主菜(肉・魚・卵・大豆製品):15〜20g(鶏肉なら一口大3〜4切れ程度)
  2. 1歳半〜2歳
    • 主食:軟飯100〜120g(お茶碗1/2強)
    • 副菜:40〜50g(小鉢1〜1.5皿程度)
    • 主菜:20〜25g(鶏肉なら一口大4〜5切れ程度)
  3. 2歳〜3歳
    • 主食:軟飯〜ご飯120〜150g(お茶碗1/2〜2/3)
    • 副菜:50〜70g(小鉢1.5〜2皿程度)
    • 主菜:25〜30g(鶏肉なら一口大5〜6切れ程度)

一日の食事リズムと栄養の配分

  1. 朝食:炭水化物中心にエネルギー源となる食事
  2. 昼食:タンパク質と野菜をバランスよく
  3. おやつ:不足しがちな栄養素(カルシウムなど)を補う役割も
  4. 夕食:主菜と副菜のバランスを意識

実践的なバランス食のコツ

  • ワンプレート法

    主食3:主菜1:副菜2の割合で一皿に盛り付け

  • 作り置きの活用

    週に2〜3回まとめて野菜の下処理や煮物などを作り置き

  • 冷凍ストックの活用

    茹でた野菜、果物ピューレなどを小分け冷凍

  • 取り分け離乳食・幼児食

    大人の食事から調味料を加える前に取り分ける

食事のバランスは一食で完璧を目指すのではなく、一日または数日単位で考えましょう。無理なく続けられる食事プランが、長期的な健康と成長を支えます。