【食物アレルギー対応の基本】安全に進める離乳食
赤ちゃんの食物アレルギーへの不安は多くの親が抱える悩みです。適切な知識と対応で、安全に離乳食を進めていくことができます。
食物アレルギーとは
食物アレルギーは、特定の食物に含まれるタンパク質(アレルゲン)に対して、体の免疫系が過剰に反応する状態です。日本小児アレルギー学会によると、乳幼児期の食物アレルギーの有病率は約5〜10%とされています。
主な食物アレルゲンとその導入
日本で特に注意が必要な主要アレルゲン(特定原材料)7品目:
- 卵
- 乳
- 小麦
- そば
- 落花生
- えび
- かに
最新の研究では、アレルギーの可能性がある食品も適切な時期に少量から導入することが推奨されています。2019年に改定された厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」でも、従来のように遅らせる必要はないとしています。
安全な食材導入の基本ルール
- 一品ずつ新しい食材を与える:
- 新しい食材は1回に1種類ずつ
- 少量(小さじ1/4程度)から始める
- 3〜5日間は同じ食材を続け、反応を観察
- 記録をつける:
- 初めて食べた食材と日付
- 量と調理法
- 体調や反応の変化
- 時間帯の配慮:
- 初めての食材は午前中に与える
- アレルギー反応が出た場合に医療機関を受診しやすい時間帯に
アレルギー反応の種類と見分け方
即時型アレルギー反応の主な症状:
- 皮膚症状:じんましん、発赤、かゆみ
- 消化器症状:嘔吐、下痢、腹痛
- 呼吸器症状:くしゃみ、鼻水、咳、ぜいぜいした呼吸
- 全身症状:機嫌が悪い、ぐったりする
これらの症状が食後30分〜2時間以内に現れることが多いですが、遅延型の反応もあります。
医師に相談すべき状況
以下の場合は、離乳食を始める前や進める過程で小児科医やアレルギー専門医に相談しましょう:
- 家族にアレルギー疾患の方がいる
- 乳児湿疹やアトピー性皮膚炎がある
- 過去に食物で何らかの反応が出たことがある
- 心配な症状が現れた
アレルギー対応食の調理ポイント
- 調理器具の区別(アレルゲンとの交差汚染を防止)
- 代替食材の活用(例:牛乳→豆乳、卵→豆腐)
- 加熱によるアレルゲン性の低減(特定の食品のみ)
食物アレルギーの対応は一人ひとり異なります。不安なことがあれば必ず医療機関に相談し、専門家のアドバイスを受けながら進めていきましょう。